USCPA(米国公認会計士)は、社会人や転職者だけでなく、「新卒の就活」でも大きな武器になります。
会計・英語の専門知識を証明できるだけでなく、グローバル志向の企業から高く評価される資格です。
本記事では、USCPAが新卒でどこまで評価されるのか、どんな就職先があるのかなどを紹介します。
USCPA受験中の方や、資格取得を検討している学生も必見です。
予備校 | 合格実績 | 税込費用 |
---|---|---|
アビタス(Abitus) | ・合格者6,879名 ・国内合格者の60%がアビタス生 | 624,800円(学割パック) |
CPA会計学園 | 情報なし | 396,000円(学割制度なし) |
TAC | 情報なし | 430,000円(学割制度なし) |
プロアクティブ | 情報なし | 319,000円~(学割制度なし) |
資格の大原(閉講) | – | – |
USCPAは新卒でどこまで評価されるのか?

USCPAが新卒の就職活動で有利になる点
USCPAは新卒就活においてもその価値は非常に高く評価されています。
新卒の就職活動でUSCPAが有利になる理由は主に以下の点にあります。
- 専門知識の証明: 会計、財務、税務など専門的な知識を持っていることを客観的に証明できます。
- 語学力の証明: 英語で専門的な試験に合格していることから、一定レベルの英語力があると評価されます。
- 学習能力と継続力: 難関資格を取得するための努力と継続力があることを示せます。
- グローバル基準の会計知識: 国際的な会計基準を理解していることが、グローバル企業で評価されます。
- キャリアビジョンの明確さ: 早期からキャリア形成に対する意識が高いことをアピールできます。
多くの企業、特に会計や金融関連の企業では、USCPAを持つ新卒者を高く評価する傾向があり、同じ条件の他の候補者と比較して採用プロセスで優位に立てることが多いです。

USCPAが簡単な資格ではないことは採用側も理解しています
Big4をはじめとする人気企業はUSCPAをどう見るか?
Big4(デロイト、EY、KPMG、PwC)をはじめとする大手監査法人や会計事務所では、特にUSCPAは価値のある資格として認識されています。
- デロイト:Deloitte Touche Tohmatsu Limited(デロイト トウシュ トーマツ リミテッド)
日本では「有限責任監査法人トーマツ」 - EY:Ernst & Young Global Limited(アーンスト・アンド・ヤング グローバル リミテッド)
日本では「EY新日本有限責任監査法人」 - KPMG:KPMG International Cooperative(ケーピーエムジー インターナショナル コーポラティブ)
日本では「有限責任あずさ監査法人」 - PwC:PricewaterhouseCoopers International Limited(プライスウォーターハウスクーパース インターナショナル リミテッド)
日本では「PwCあらた有限責任監査法人」
- Big4の評価: USCPAホルダーは採用時に優遇されることが多く、特定のポジションでは必須条件となることもあります。
- 入社後のキャリアパス: 入社時点でUSCPAを取得している場合、昇進が早まったり、国際的なプロジェクトに参加できる機会が増えます。
- グローバル展開する企業での評価: 国際展開している企業では、グローバルスタンダードの会計知識を持つUSCPA保持者の採用を積極的に行う傾向があります。
- 専門性の担保: 特に会計・監査部門では、専門知識を持っていることの証明として高く評価されます。
USCPAが「就活の武器」になるケースとならないケース
USCPAが効果的な就活の武器になるケースとそうでないケースについて理解しておきましょう。
武器になるケース
- 監査法人、会計事務所への就職
- 外資系金融機関の経理・財務部門
- 国際的な取引を行う企業の財務部門
- コンサルティングファームの財務・会計コンサルタント
- 事業会社のIR部門や経営企画部門
武器になりにくいケース
- IT・エンジニア職など専門性が全く異なる職種
- 会計知識を必要としない営業職や人事職
- 日本国内のみで事業を展開する中小企業
- クリエイティブ職やマーケティング専門職
- 資格を活かす意志や方向性が明確でない場合
USCPAは確かに強力な武器ですが、自分のキャリア目標と合致する職種・業界を選ぶことが重要です。

なお、USCPAが実務に直結しない仕事でも、その努力と向上心は間違いなく評価されます!
USPCAは受験中でも評価される

USCPAが未取得・学習中でもいいのか?
USCPAの取得が完了していなくても、学習中であれば就職活動に活かすことは十分可能です。
むしろ、学生の時点で全科目合格している人は少ないです。
多くの企業では、以下のような状況でも前向きに評価します。
- 学習中: 現在USCPAの学習を進めていて、具体的な受験予定があることを明示する。
- 合格科目の明示: すでに一部の科目に合格している場合は、その実績を積極的にアピールする。
- 学習計画の提示: 残りの科目についての具体的な学習計画と合格見込み時期を示す。
- 学習を通じた成長: USCPAの学習を通じて得た知識や気づきを面接で具体的に説明できる。
特にBig4などの会計関連企業では、入社後の資格取得支援制度も充実しており、「入社後に取得を目指す」という姿勢も評価されます。
新卒での就職に必要な最低限の科目数とは?
USCPAの試験は4科目(FAR、AUD、REG、BEC)から構成されていますが、新卒での就職に必要な最低限の科目数は企業や職種によって異なります。
- 会計系の就職先を目指す場合
- Big4監査法人: 少なくとも1〜2科目の合格があると評価が高まる
- 特にFAR(財務会計)またはAUD(監査)の合格は有利になる
- 一般企業の財務・経理職
- 具体的な科目合格は必須でなく、学習中であることのアピールでも十分
- 外資系企業
- 少なくとも1科目以上の合格があると好印象
理想的には、就活時期までに2科目以上の合格を目指すと良いでしょう。
全科目合格していなくても、学習プロセスや合格に向けた計画をしっかり説明できれば、十分アピールポイントになります。
新卒でUSCPA(受験中含む)を活かせる業界と職種

ここでは、新卒の就職活動時にUSCPAが評価される業界と職種を紹介します。
監査法人
監査法人は会計系の資格を持つ就活生の人気就職先です。
一般の企業よりも年収が高く、USCPAの知識とスキルを活かせる職種が多数存在します。
以下に主な職種とUSCPAの活かし方を紹介します。
1. 監査部門(Audit & Assurance)
- 財務諸表監査の実施において、USCPAの会計・監査知識が直接活かせる
- 国際会計基準と米国会計基準の両方を理解していることが評価される
- クライアントとのコミュニケーションで専門性を発揮できる
2. 税務部門(Tax)
- 国際税務や移転価格税制などでUSCPAの税務知識が重宝される
- 日米の税制の違いを理解した上でのアドバイスが可能
- 外資系クライアントの税務サポートに従事できる
3. アドバイザリー部門(Advisory/Consulting)
- M&A、事業再生、リスクマネジメントなどのコンサルティングでUSCPAの知識を活用
- 財務デューデリジェンスやバリュエーションなどの高度な業務に従事
- 内部統制構築支援などでも専門性を発揮
4. フォレンジック部門(Forensic)
- 不正調査や財務分析で会計の専門知識を活用
- 法的問題に関わる財務分析で米国会計基準の知識が役立つ
USCPAホルダーは国際案件やグローバルクライアントを担当する機会を得やすいです。
また、将来的には海外転勤や国際的なプロジェクトへの参画チャンスも生まれやすいです。
コンサルティング
USCPAの知識とスキルは、コンサルティングファームでも需要があります。
コンサルティングファームでの活用
- 財務・会計コンサルティング: 財務分析、コスト削減、業績改善提案
- M&Aアドバイザリー: 企業価値評価、デューデリジェンス、PMI支援
- リスクマネジメント: 内部統制構築、コンプライアンス体制整備
- 業務改革(BPR): 財務・経理プロセスの効率化や標準化の提案
外資系企業の管理部門
- 財務・経理部門: 連結決算、IRサポート、グローバル会計基準への対応
- 内部監査部門: 社内監査、リスク評価、内部統制の評価
- コーポレートファイナンス: 資金調達、投資評価、財務戦略立案
- 経営企画: 事業計画策定、投資判断、経営分析
もちろん、会計知識に加えて分析力やコミュニケーション能力も求められます。USCPAさえあれば内定が取れるわけではありません。
海外展開をしている日本企業の管理部門
日本企業でも海外にグループ会社を持つような大手企業であれば、USCPAを高く評価する部門もあります。
例えば以下の部署があります。
- 財務・経理部門の米国担当
- グループ全体を取りまとめる経営企画
- 海外子会社の管理や連結決算業務
- 将来的には海外法人への赴任
- 海外の企業価値評価を担当するM&A部署
- 内部監査部門
USCPAホルダーのキャリアの例

新卒で就職し、そのまま一社で長く働く人もいれば、転職をしながらキャリアを積む人もいます。
- 監査法人やコンサルティングファームで経験を積んだ後、事業会社へ転職
- 会計事務所から企業の財務責任者(CFO)を目指す
- スタートアップ企業の財務基盤強化や資金調達サポート
- IPO(株式公開)を目指す企業での貢献
- 会計・財務コンサルタントとして独立開業
- 外資系企業向けの会計サービスを提供する事務所の開設
- 会計やUSCPA受験生のための講師
日本国内でUSCPAを活かすには、単に資格を持っているだけでなく、実務経験を積みながら自分の専門分野を確立していくことが重要です。
日本の会計制度や商習慣にも精通することで、国際的な視点と日本のビジネス環境の両方を理解したプロフェッショナルとして高い価値を発揮できます。
USCPAホルダーの新卒の年収例

新卒でUSCPAを持っていると年収はどれくらい?
資格手当制度がある企業を除き、USCPAを取得していることを理由に新卒初年度の年収が上がることはほぼありません。
しかし、監査法人や外資系企業など、USCPAを評価する企業は高年収であることが多く、結果的にUSCPAが高年収につながります。
業界別の新卒1-2年目の平均年収目安
- Big4監査法人:400-550万円
- 外資系コンサルティングファーム:400〜600万円
- 外資系金融機関:400〜600万円
- 日系大手企業:350〜450万円
入社時点ではUSCPAの有無で年収に差がなくとも、キャリアが進むにつれてその差は拡大する傾向にあります。
USCPAホルダーは昇進が早まったり、より専門性の高いポジションに就ける可能性が高く、5年後、10年後の年収差は更に大きくなることが一般的です。

USCPAは月額数万円の資格手当がある企業もあります
USCPAを就活で効果的にアピールする方法

USCPAの資格保持(または学習中であること)を就職活動でどのようにアピールすべきかを紹介します。
1.エントリーシート・履歴書に書く
- 単に「USCPA学習中」と書くだけでなく、合格科目や学習進捗を具体的に記載
- 学習を通じて得た気づきや成長を簡潔に記述
- 例:「USCPAのFAR、AUD科目に合格。財務諸表分析の実践的知識を獲得」
2.面接での効果的な伝え方
- USCPAを学ぶきっかけや動機を具体的に説明
- 学習過程での挫折や困難、それを乗り越えた経験をエピソードとして共有
- 資格の知識をどのように業務に活かせるかを具体例とともに提示
3.企業研究との連動
- 志望企業・部署の業務とUSCPAの知識がどう結びつくかを研究
- 企業の課題解決にUSCPAの知識をどう活かせるかを提案
4.質問への備え
USCPAは単なる資格としてではなく、学習姿勢や将来のキャリアビジョンを示す材料として位置づけ、それを通じて得た具体的な知識や経験、成長をアピールすると効果的です。
特に、資格取得の過程で体験した困難や挫折、そしてそれを乗り越えた経験は、あなたの人間性や粘り強さを示す貴重なエピソードとなります。
USCPAの受験をこれから考えている人へ:合格までの費用と計画

USCPAの資格取得にかかる費用と勉強方法についてです。
USCPAの取得にはいくらかかるのか?:90〜150万円程度
合計で90〜150万円程度です。以下が内訳です。ただし、これはUSCPAの予備校を利用した場合ですので、独学で合格できればもっと安く抑えられます。
費用項目 | 金額の目安 |
---|---|
受験資格審査料 | 1〜2万円 |
受験料(4科目) | 約20万円(1科目あたり約5万円) |
国際会場手数料(東京/大阪の受験会場) | 約22万円(1科目あたり5〜6万円) |
会場への移動費・宿泊費 | 1〜7万円 |
教材費・講座(予備校)費および単位取得費用 | 40〜80万円 |
再受験するには、受験料と国際会場手数料が1科目ごとにかかります。
USCPA取得のための投資は決して小さくありませんが、キャリア全体で見れば十分に回収可能な自己投資と言えます。
特に、長期的なキャリア形成や海外での就職も視野に入れている場合は、その価値は投資額を大きく上回ることが期待できます。
一部の企業では資格取得支援制度があり、入社後に試験に合格した場合、受験料や教材費の一部または全額を補助してくれます。すべての費用を自己負担する必要がない場合もあります。
USCPAの予備校・講座の比較表:有名なのはアビタス

- 日本合格者の約3人に2人がアビタス生!
- 合格者6,500人以上!
- 教育訓練給付金&合格お祝い金10万円
- 割引キャンペーンよくやってる!
\1分で資料請求!まず行動!/
公式で詳しく見るUSCPAの講座を提供している予備校の比較表です。
赤色の部分は給付金を得られたときの実質負担額です。
予備校名に公式サイトへのリンクを貼っています。
予備校 | 合格実績 | 税込費用 |
---|---|---|
アビタス(Abitus) | ・合格者6,879名 ・国内合格者の60%がアビタス生 | 624,800円(学割パック) |
CPA会計学園 | 情報なし | 396,000円(学割制度なし) |
TAC | 情報なし | 430,000円(学割制度なし) |
プロアクティブ | 情報なし | 319,000円~(学割制度なし) |
資格の大原(閉講) | – | – |
合格実績を公開しているのはアビタスのみでした。
就活と資格勉強を両立させる勉強計画を立てよう
就活と資格勉強の両立は決して容易ではありませんが、計画的に進めることで実現可能です。
以下にスケジュールの例を紹介します。
1. スケジュール管理の徹底
- 大学3年の夏から学習を開始し、就活が本格化する前に1〜2科目の合格を目指す
- 週単位、月単位で具体的な学習計画を立て、就活イベントと学習時間を調整する
- 朝型の生活習慣を確立し、朝の時間を資格学習に充てる
2. 就活と学習の相乗効果を狙う
- USCPAの学習内容を就活の自己PRやエピソードとして活用する
- 面接対策と資格の専門知識の学習を連動させる
- 企業研究の際、USCPAの知識を活かせる部署や業務を特定する
3. USCPAの勉強よりも就活を優先
- 内定を得るまでは就職活動を優先
- 内定獲得後は卒業論文を優先しながらUSCPAの勉強を継続
USCPAに落ちても内定取り消しになることは絶対にないので、単位取得と卒業論文を優先しましょう

一緒に勉強できる仲間がいると継続しやすいです
まとめ
USCPAが新卒就活で評価される理由
- 学習意欲が高い
- 会計知識、英語への抵抗のなさを客観的に証明
主な就職先
- 監査法人
- 外資系企業(経理・監査・IRなど)
- コンサルティングファーム
- 海外展開している日系企業
武器になる職種 / ならない職種
- なる:会計・財務・コンサル・経営企画など
- ならない:営業・人事・IT・クリエイティブ系など