登録販売者とは、厚生労働省および各地方自治体が実施する公的資格です。
合格後は、一般用医薬品の第二類と第三類の販売の担い手として、調剤薬局やドラッグストアで仕事に従事します。
本記事では、過去の登録販売者試験の合格率と合格点について、さらに試験内容や勉強方法について解説しています。
登録販売者試験の過去の合格率:2018年と2019年
厚生労働省が公開している登録販売者試験の受験者数、合格者数、合格率を都道府県別に表にまとめました。
なお、2021年2月15日現在、2020年の全体の合格率はまだ公開されていません。
都道府県名 | 2018年(平成30年) | 2019年(令和元年) | ||||
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
合計 | 65,500 | 27,022 | 41.3% | 65,288 | 28,328 | 43.4% |
北海道 | 1,937 | 1,136 | 58.6% | 2,085 | 1,340 | 64.3% |
青森県 | 655 | 326 | 49.8% | 710 | 433 | 61.0% |
岩手県 | 589 | 298 | 50.6% | 603 | 343 | 56.9% |
宮城県 | 1,106 | 626 | 56.6% | 1,292 | 800 | 61.9% |
秋田県 | 439 | 215 | 49.0% | 542 | 309 | 57.0% |
山形県 | 502 | 265 | 52.8% | 543 | 326 | 60.0% |
福島県 | 1,826 | 867 | 47.5% | 2,487 | 1,473 | 59.2% |
茨城県 | 1,813 | 676 | 37.3% | 1,644 | 584 | 35.5% |
栃木県 | 1,213 | 432 | 35.6% | 1,147 | 368 | 32.1% |
群馬県 | 1,354 | 487 | 36.0% | 1,421 | 491 | 34.6% |
埼玉県 | 3,222 | 1,035 | 32.1% | 3,138 | 734 | 23.4% |
千葉県 | 2,622 | 945 | 36.0% | 2,749 | 683 | 24.8% |
東京都 | 5,001 | 1,769 | 35.4% | 5,126 | 1,334 | 26.0% |
神奈川県 | 3,442 | 1,357 | 39.4% | 3,396 | 956 | 28.2% |
新潟県 | 989 | 413 | 41.8% | 1,034 | 370 | 35.8% |
山梨県 | 382 | 142 | 37.2% | 469 | 180 | 38.4% |
長野県 | 925 | 347 | 37.5% | 997 | 318 | 31.9% |
富山県 | 806 | 286 | 35.5% | 710 | 310 | 43.7% |
石川県 | 838 | 290 | 34.6% | 790 | 293 | 37.1% |
福井県 | 915 | 178 | 19.5% | 846 | 344 | 40.7% |
岐阜県 | 1,280 | 476 | 37.2% | 1,351 | 571 | 42.3% |
静岡県 | 2,240 | 1,061 | 47.4% | 2,081 | 1,107 | 53.2% |
愛知県 | 2,789 | 1,170 | 42.0% | 2,874 | 1,392 | 48.4% |
三重県 | 930 | 411 | 44.2% | 1,020 | 484 | 47.5% |
滋賀県 | 1,000 | 293 | 29.3% | 2,637 | 1,516 | 57.5% |
京都府 | 1,992 | 768 | 38.6% | 関西広域連合として最下行に集計 | ||
大阪府 | 5,012 | 2,425 | 48.4% | |||
兵庫県 | 3,504 | 1,268 | 36.2% | |||
奈良県 | 1,121 | 466 | 41.6% | |||
和歌山県 | 645 | 199 | 30.9% | |||
鳥取県 | 249 | 71 | 28.5% | 213 | 63 | 29.6% |
島根県 | 265 | 81 | 30.6% | 245 | 97 | 39.6% |
岡山県 | 1,204 | 342 | 28.4% | 1,225 | 420 | 34.3% |
広島県 | 899 | 309 | 34.4% | 920 | 429 | 46.6% |
山口県 | 834 | 255 | 30.6% | 754 | 280 | 37.1% |
徳島県 | 354 | 115 | 32.5% | 関西広域連合として最下行に集計 | ||
香川県 | 483 | 187 | 38.7% | 602 | 191 | 31.7% |
愛媛県 | 517 | 186 | 36.0% | 473 | 161 | 34.0% |
高知県 | 320 | 111 | 34.7% | 312 | 78 | 25.0% |
福岡県 | 4,425 | 2,330 | 52.7% | 4,459 | 1,970 | 44.2% |
佐賀県 | 775 | 378 | 48.8% | 786 | 331 | 42.1% |
長崎県 | 524 | 291 | 55.5% | 519 | 250 | 48.2% |
熊本県 | 791 | 451 | 57.0% | 751 | 307 | 40.9% |
大分県 | 609 | 311 | 51.1% | 643 | 297 | 46.2% |
宮崎県 | 471 | 217 | 46.1% | 433 | 170 | 39.3% |
鹿児島県 | 915 | 402 | 43.9% | 796 | 282 | 35.4% |
沖縄県 | 776 | 358 | 46.1% | 752 | 232 | 30.9% |
関西広域連合 | – | – | – | 9,713 | 5,711 | 58.8% |
出典:厚生労働省, これまでの登録販売者試験実施状況等について.
登録販売者試験の試験内容と合格点
登録販売者試験の試験問題数および試験時間
登録販売者試験の各試験項目の試験問題数と試験時間は以下の表にように定められています。解答方式はすべてマークシートで選択式です。
試験項目 | 出題数 | 配分時間 |
1.医薬品に共通する特性と基本的な知識 | 20 | 40分 |
2.人体の働きと医薬品 | 20 | 40分 |
3.主な医薬品とその作用 | 40 | 80分 |
4.薬事関係法規・制度 | 20 | 40分 |
5.医薬品の適正使用・安全対策 | 20 | 40分 |
合計 | 120 | 240分 |
試験問題は全5章から構成され、問題数は120問、試験時間は240分間です。単純に計算すると、 遅くとも1問2分間 で問題を解かなければすべての問題に解答することができません。
第1章、2章、4章、5章はそれぞれ20問で配分時間は40分間です。第3章のみ出題問題数は40問で配分時間は80分間です。
登録販売者試験の合格基準
ここでは登録販売者試験の合格に必要な点数を説明します。
全体の合格点
登録販売者試験実施要項において、合格基準は以下のように決められています。
「7割程度」と記載がありますが、実際はどの都道府県も7割以上を合格基準としています。
また、「各試験項目ごとに、都道府県知事が定める一定割合以上の正答」とありますが、これは各章ごとの足切り点のことです。足切り点とは合格するために必要な章ごとの最低点です。
例え試験問題全体の7割以上を正答しても、ひとつの章でも足切り点以下であれば不合格です。この章ごとの足切り点は、都道府県によって異なり、4割以上か3.5割以上のどちらかです。下表は足切り点を問題数に変換してまとめたものです。
章ごとの足切り正答数(最低正答数) | ||
各章 | 4割以上の自治体 | 3.5割以上の自治体 |
1章(20問) | 8問以上 | 7問以上 |
2章(20問) | 8問以上 | 7問以上 |
3章(40問) | 16問以上 | 14問以上 |
4章(20問) | 8問以上 | 7問以上 |
5章(20問) | 8問以上 | 7問以上 |
それでは都道府県別に章ごとの足切り点(合格最低点)を見ていきましょう。
都道府県別の章ごとの最低合格(足切り)点
以下は、章ごとの最低点(足切り点)を都道府県別にまとめた表(2020年度, 令和2年度)です。
全体の合格点は7割以上で各都道府県共通です。一方、章ごとの合格最低点は、東北地方、中国地方、九州が4割以上、それ以外が3.5割以上です。
都道府県 | 全体の合格点 | 章ごとの最低点(足切り点) |
北海道 | 7割以上 | 3.5割以上 |
青森県 | 7割以上 | 4割以上 |
岩手県 | 7割以上 | 4割以上 |
宮城県 | 7割以上 | 4割以上 |
秋田県 | 7割以上 | 4割以上 |
山形県 | 7割以上 | 4割以上 |
福島県 | 7割以上 | 4割以上 |
茨城県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
栃木県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
群馬県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
新潟県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
山梨県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
長野県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
埼玉県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
千葉県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
東京都 | 7割以上 | 3.5割以上 |
神奈川県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
富山県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
石川県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
岐阜県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
静岡県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
愛知県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
三重県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
福井県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
滋賀県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
京都府 | 7割以上 | 3.5割以上 |
兵庫県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
和歌山県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
奈良県 | 7割以上 | (現時点では未公開) |
大阪府 | 7割以上 | 3.5割以上 |
鳥取県 | 7割以上 | 4割以上 |
島根県 | 7割以上 | 4割以上 |
岡山県 | 7割以上 | 4割以上 |
広島県 | 7割以上 | 4割以上 |
山口県 | 7割以上 | 4割以上 |
徳島県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
香川県 | 7割以上 | 4割以上 |
愛媛県 | 7割以上 | 4割以上 |
高知県 | 7割以上 | 4割以上 |
福岡県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
佐賀県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
大分県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
長崎県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
熊本県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
宮崎県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
鹿児島県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
沖縄県 | 7割以上 | 3.5割以上 |
登録販売者試験問題作成に関する手引き
あまり知られていませんが、登録販売者試験には、試験作成者が参考にする「試験問題作成に関する手引書」があります。
300ページ以上あるため、これを使って勉強する人はいないと思いますが、どのような意図で試験問題が作成されているのか知っておくのはいいでしょう。
ご興味がある方はこちらからダウンロードできます。
登録販売者試験の難易度と勉強時間
登録販売者試験の難易度
受験者全体の合格率は約40%です。半数以上が不合格になりますが、難関資格とまでは言えない合格率です。
登録販売者試験は、各都道府県が実施しているため、試験日が異なれば複数の都道府県で受験できます。受験日や交通費はかかりますが、合格点ぎりぎりラインの実力があるのであれば複数の受験地で受けるのもいいかもしれません。単純に合格のチャンスが増えます。
受験費用は都道府県によって異なり、およそ15,000円前後です。
登録販売者試験の勉強時間
およそ2か月間から8か月間の勉強で合格を目指します。
もちろん、忙しい人とそうでない人は、登録販売者試験の学習に割ける時間が違いますので、あくまで目安です。
登録販売者とは?
登録販売者とは、2009年(平成21年)の法改正で新設された一般用医薬品販売についての資格です。医薬品登録販売者と呼ばれることもあります。
登録販売者が可能となる業務は、一般用医薬品の第二類医薬品と第三類医薬品の販売です。これまでは薬剤師が販売の役割を担っていましたが、登録販売者資格の登場により、薬剤師は調剤業務と第一類医薬品販売業務に専念できるようになりました。
主に、薬局やドラッグストアで業務にあたります。
独学での勉強で登録販売者試験に合格することは可能か?
独学での学習で登録販売者試験に合格することは可能です。教科書や問題集、過去問などテキスト教材はたくさん市販されています。
しかし、薬学や生物学・医学の素養がない方は、何かしら通信教育講座を利用されることを推奨します。なぜなら、まったく知識がない状態からスタートする場合、 めくるページすべてがわからないことだらけで、やる気が次第に衰退 していくためです。
一夜漬けで受かる試験であればやる気がなくても腹をくくってやれますが、登録販売者試験のように継続的な学習が必要な場合、やる気が衰退していくのは致命的です。
そのため、通信講座のように学習スケジュールがあらかじめ決められている方が進めやすいです。一回で内容を覚える必要はまったくありません。むしろ一回で覚えられる人はいません。わからなくても覚えらなくても一回目は通信講座のスケジュール通りに勉強を進めてください。そうすると、進んでいる感が出るのでやる気を維持できます。
そして、二回目、三回目とわからない部分を復習しながら再学習してください。薄く重ねるように知識を身に付けていくイメージです。
勉強する意志があっても続かない人は、最初から完璧に覚えようとします。初学者が一回目で完璧に覚えられるはずもないので、ほとんど勉強が進まず、嫌になって投げ出します。
強引にでも勉強のペースを作ってくれる通信講座を利用し、一回で合格しましょう。登録販売者試験の受験を考えられている方は必見
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