「USCPAって意味あるの?」「ネットで“やめとけ”って書かれてて不安…」
USCPA(米国公認会計士)は、国際的に評価される資格でありながら、日本国内ではその活用法に迷う人が多いのも事実です。
実際、「就職・転職で評価されにくい」「費用が高い」「日本の実務に直結しづらい」といった声があるのも確かです。
しかし、大手企業や監査法人を中心に、USCPAを必須もしくは歓迎する求人はたくさんあります。
本記事では、USCPAが「やめとけ」と言われる理由を紹介し、どうすればこの資格をキャリアに活かせるのかを具体的にご紹介します。
USCPA(米国公認会計士)はやめとけ・意味ないと言われる4つの理由

USCPAは国際的に通用する会計士資格として人気がありますが、日本での評価や実用性については疑問を持つ人もいます。
日本在住者がキャリアアップのためにこの資格取得を検討する際、USCPAの学習経験者から「やめておいたほうがいい」と指摘される主な理由を理解しておきましょう。
その理由は以下の4点です。
- 就職や転職で必ず高く評価されるわけではない
- 資格取得に100万円前後かかる
- 米国基準なので日本での業務・キャリアに直結しづらいことがある
- 難易度がそれなりに高く合格まで時間がかかる
順番に説明します。
就職や転職で必ず高く評価されるわけではない
USCPAは、米国の会計士資格として知られていますが、日本の就職市場ではその価値が限定的なケースがあります。
日系企業では、日本の公認会計士(JCPA)が優先される傾向にあります。
実務経験のない新卒者がUSCPAを取得しても、日本国内の監査法人や一般企業の経理部門では「単なる資格保持者」としか見られないことがあります。

日本においてはUSCPA保持者の独占業務はありません
また、USCPAは日本の会計基準(J-GAAP)ではなく、米国会計基準(US-GAAP)や国際会計基準(IFRS)に基づいているため、日本国内の会計実務とのミスマッチが生じます。
そのため、グローバル展開していない中小企業や、米国とのビジネス関係が薄い企業では評価されづらい現状があります。
実際に転職市場では「USCPAは持っているが実務経験がない」という人材よりも、「実務経験が豊富だがUSCPAは持っていない」人材のほうが重宝されるケースが少なくありません。
なお、自発的に働きながらUSCPAを取得したという努力と向上心は間違いなく評価されます。
資格取得に100万円前後かかる
2つ目は、資格を得るまでに要する費用が比較的高額な点です。
日本でUSCPA資格を取得するための総費用は、一般的に約89万円から134万円程度必要です。
この費用は、学習費用、受験資格取得費用、受験費用の3つの主要なカテゴリに分けられます。主な費用は以下の通りです。
費用項目 | 内容 | 目安金額 |
---|---|---|
学習費用 | 予備校受講料、教材費 | 約30万~84万円 |
受験資格取得費用 | 学歴評価、証明書発行・郵送 | 約3万~4万円 |
受験費用 | 4科目受験料、国際試験追加料金 | 約45万円~ |
合計 | すべて含めた概算 | 約89万~134万円 |
それぞれの費用内容を詳しく紹介します。
1. 学習費用(予備校代・教材費):約30万~84万円
USCPA試験対策のための予備校や通信講座の費用です。
予備校によって料金は異なります。
以下はUSCPAの各社の講座の比較表です。
予備校名に公式サイトへのリンクを貼っています。
予備校 | 合格実績 | 税込費用 | 特記 |
---|---|---|---|
アビタス(Abitus) | ・合格者6,879名 ・国内USCPA合格者の60%がアビタス生 | 616,300円~* | ・10万円キャッシュバックあり ・期間:5年間 |
CPA会計学園 | 情報なし | 396,000円* | ・10万円キャッシュバックあり ・期間:2年間 |
TAC | 情報なし | 430,000円* | 期間:2年間 |
プロアクティブ | 情報なし | 319,000円~ | なし |
資格の大原(閉講) | – | – | – |
*給付金の対象講座です。対象者は支払った受講料の一部が返ってきます。
2. 受験資格取得費用:約3万~4万円
日本の大学を卒業している場合でも、USCPA受験には学歴評価が必要です。
主な費用は以下の通りです。
- 学歴評価機関への申請料:約2万2,500円~3万3,000円(NIESやFACSなど)
- 英文成績証明書・卒業証明書の取得費用:大学によって異なりますが、数百円~数千円程度
- 書類の郵送費用:約2,000円(EMSなど)
3. 受験費用:約45万円~
USCPA試験は4科目あり、各科目ごとに以下の費用がかかります。
- 受験料:1科目あたり約3万5,000円(約350ドル)
- 国際試験追加料金(日本で受験する場合):1科目あたり約3万9,000円(約390ドル)
- 受験資格審査料:州によって異なりますが、約1万5,000円(約90~140ドル)
4科目すべてを1回で合格した場合でも、合計で約45万円程度かかります。
不合格となった場合、再受験ごとに約11万円(受験料+国際試験追加料金)が追加で必要になります。
これらを合計すると、100万円前後の出費は発生します。
さらに、資格維持のための継続教育(CPE)費用も毎年発生します。
ここで支払った金額をUSCPAの資格取得によって回収するのは難しいと考える人もいます。
米国基準なので日本での業務・キャリアに直結しづらいことがある
3つ目は、国内ではUSCPAを活かせる場面は多くないということです。
USCPAは文字通り「米国」の会計士資格であるため、日本の法律や税制、会計慣行とは異なる部分が多くあります。
- 日本の税務申告や法定監査には直接使えない
- 日本の会社法や金融商品取引法に基づく監査実務との相違
- 日本特有の会計処理(減価償却の方法、退職給付会計など)への対応が弱い
こうした理由から、USCPAの知識をそのまま日本の実務に適用できないケースが多く、実際の業務で活かすには追加の学習や経験が必要になります。
また、日本国内での活躍の場は限られており、主に以下に限定されがちです。
- 外資系企業の経理財務部門
- 国際業務を扱う大手監査法人
- グローバル展開している大企業の経理部門

内需向け事業のみの企業では活かせる場面は少ないです。
難易度がそれなりに高く合格まで時間がかかる
4つ目は合格までに長い勉強時間が必要な点です。
USCPAの試験は4科目(監査、財務会計、企業法、財務管理・原価計算)からなり、その難易度は決して低くありません。
合格率は科目によって異なりますが、平均して45~55%程度です。
日本人にとっては英語での受験となるため、さらに難易度が上がります。
また、一度合格した科目の有効期限は18ヶ月であり、その期間内に全科目に合格する必要があります。
これは働きながら受験する社会人にとって大きな負担です。
- 1科目あたり平均200~300時間の学習時間が必要
- 全科目合格までに早くても1~2年かかる
- 仕事と両立しながらの勉強は精神的・肉体的負担大

さらに、英語での学習・試験となるため、英語に不慣れな方は追加の時間と労力が必要になります。
実際にUSCPAに合格した人のネガティブな面の声

次に、実際にUSCPAの資格を保有している人が感じるUSCPAのいまいちな部分を紹介します。
実務面での評価が低い
USCPAは、日本の公認会計士と比較して、会計知識が浅いと見なされることがあり、会計専門家から高く評価されにくいとあります。
また、英語力の向上も限定的で、実務での英語使用には直結しないと説明されています。
出典: note(ノート)
資格を取得すればキャリアアップできるわけではない
USCPA資格が期待通りの転職やキャリアアップに繋がらない可能性について述べられています。
- 日本にUSCPA保持者の独占業務がない
- 日本にいる限り米国基準を使うことはほぼない
- USCPAだけで海外就職できるわけではない
出典:youblog

ただし、お二人ともUSCPAを取ったことに後悔はないそうです
それではUSCPAの資格が高く評価されるパターンは?

米国企業や多国籍企業への海外転職
USCPAは米国企業や多国籍企業への海外転職において武器となります。
米国公認会計士の資格は、特に北米地域の企業で高く評価されており、採用の際にアドバンテージとなります。
具体的には、シリコンバレーのテック企業や、ニューヨークの金融機関などが、USCPAホルダーに対して積極的な採用姿勢を示しています。
また、Big4(Deloitte、PwC、EY、KPMG)などの大手会計事務所の海外オフィスでも、USCPAは必須あるいは優遇される資格です。
米国会計基準(US-GAAP)に精通していることが評価され、財務部門や経理部門、監査部門などのポジションで活躍が期待できます。
さらに、国際会計基準(IFRS)を採用している多国籍企業においても、USCPAホルダーは歓迎されます。
海外で働くことによって、グローバルな視点や経験を身につけることができ、長期的なキャリア形成においても有利な立場に立てるでしょう。

もちろん、USCPAだけでなく語学力や他のスキルも求められます
日本で海外担当の経理・財務となる
日本企業の中でも、グローバル展開している企業や外資系企業の日本法人では、USCPAの専門知識を活かせる場面があります。
特に、海外子会社の財務報告や連結決算を担当する経理・財務部門では、USCPAの知識が直接業務に役立ちます。
米国に子会社を持つ日本企業では、US-GAAPに基づく会計処理や、SECへの報告書作成などにUSCPAホルダーの専門性が求められます。
また、国際的な資金調達やM&A案件において、グローバルな会計基準に精通している人材として重用されることも少なくありません。
日本企業のグローバル展開が進む中、海外とのコミュニケーションを担える会計専門家として、USCPAホルダーの需要は着実に増加しています。
大手商社や製造業、ITサービス企業など、海外売上比率の高い企業では、USCPAの知識を直接活かせるポジションが存在します。

日系企業でありながらグローバルな環境で専門性を発揮できるため、海外勤務のデメリットを避けつつキャリアを構築することができます。
日本法人の海外支社や営業所で働く
日本企業の海外支社や営業所でUSCPAの専門知識を活かすキャリアパスもあります。
米国に進出している日本企業の現地法人では、日本本社とのパイプ役として、日本語と英語の両方に精通したUSCPAホルダーの価値は高いです。
日本からの駐在員として派遣される場合には、日本の雇用体系を維持しながら海外で働くという安定性のあるキャリアを築くことができます。
現地の会計・税務事情を理解し、日本本社に的確に報告・提案できる人材として重宝されます。
また、海外支社で財務マネージャーや経理責任者などの管理職として活躍できる可能性も高く、キャリアアップの機会も豊富です。
グローバル展開している企業では、将来的に本社の幹部候補として、海外経験を積んだUSCPAホルダーを評価する傾向があります。

日本企業のグローバル化に伴い、このような「架け橋」となる人材の需要は今後も増加することが予想されます。
起業・副業(米国会計基準に基づく帳簿作成や税務書類作成)
USCPAの知識を活かした起業や副業も資格を活用する方法の一つです。
米国進出を検討している日本企業や、日米間でビジネスを展開する企業向けに会計・税務コンサルティングサービスを提供できます。
例えば、米国会計基準に基づく財務諸表の作成や、米国税務申告書の作成支援があります。
また、日系企業向けの会計・財務研修や、USCPAを目指す人向けの受験指導なども、専門知識を活かした事業として展開可能です。
フリーランスのコンサルタントとして、複数のクライアントを持ちながら柔軟な働き方を実現することもできます。
近年のリモートワークの普及により、日本に居ながらにして海外企業の会計業務を請け負うことも技術的に容易になっています。
起業・副業においては、自分のペースで仕事量を調整できるため、ワークライフバランスを重視した働き方が可能となります。
USCPAを歓迎している求人の例

USCPA資格を必要もしくは歓迎条件としている求人を調べてみました。
EY新日本有限責任監査法人
監査職◆公認会計士・USCPA歓迎/スタッフ~マネージャークラス
<予定年収>450万円~1,000万円
<必要資格>米国公認会計士、公認会計士
デロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社
FA:M&A/地方創生/事業承継/クライシスマネジメント
<予定年収>515万円~2,000万円
■歓迎条件:公認会計士/USCPA
株式会社Speee
【経理部長候補】決算・内部統制など◆17期連続成長のメガベンチャーIT企業/急成長中/制度充実◎
<予定年収>800万円~1,500万円
■歓迎条件:
・公認会計士の資格をお持ちの方
・開示業務のご経験者
・日商簿記(2級以上保有者尚可)
・FASS(レベルC以上尚可)
・BATIC(アカウンタントレベル(600)以上尚可)
・CPA、USCPA、税理士試験保有者、受験生(尚可)
三井物産フィナンシャルマネジメント株式会社
経理(連結決算業務)◆三井物産Gの経理・財務を支える企業/年休123日/在宅制度あり
<予定年収>758万円~1,000万円
■歓迎条件:
・公認会計士、USCPA歓迎
・日商簿記1級歓迎
・TOEIC(R)テスト(R)テスト600点以上歓迎/730点推奨

dodaで調べると306件ありました。
やはり大手企業や監査系法人が多く、年収も高いです。
USCPA取得を目指すなら決めること:後悔しないために

USCPAを取得後のキャリアを考えておく
USCPA(米国公認会計士)資格取得は時間と費用がかかる挑戦です。
「やめておけばよかった」と後悔しないためには、資格取得後のキャリアプランを事前に考えておくことが重要です。
まず、USCPAを活かせる主な進路として、監査法人、外資系企業の経理・財務部門、日系企業のグローバル部門、海外法人が挙げられます。
それぞれの職場環境や求められるスキル、キャリアパスの違いを理解しておきましょう。また、英語力の要件も企業によって異なりますので、語学力向上も並行して計画するとよいでしょう。
USCPAは日本公認会計士と比較して、財務会計に加えて管理会計や税務の知識も問われるため、よりビジネスパーソンとしての幅広い活躍が期待できます。
資格取得だけを目標にするのではなく、「この資格を使って何を実現したいのか」というビジョンを持つことで、モチベーション維持にもつながります。
USCPAが必須もしくは歓迎とされている求人を見るとキャリアのイメージがわきやすいです。
独学か予備校・スクールを利用するか
USCPAの学習方法として、独学と予備校の大きく2つの選択肢があります。
それぞれのメリット・デメリットを理解して選択しましょう。
独学
独学のメリットは、費用を抑えられることと自分のペースで学習できることです。近年は質の高い教材も増えており、独学でも十分に対応可能です。
一方でデメリットとしては、学習方法に迷いやすい、モチベーション維持が難しい、質問できる環境がないことなどが挙げられます。

普段から勉強に慣れている人は独学もありです。
予備校・スクール
予備校のメリットは、体系的なカリキュラムが組まれていること、専門講師に質問できること、同じ目標を持つ仲間ができることです。
デメリットは費用がかかることと、クラスのスケジュールに合わせる必要があることです。
合格までの勉強スケジュールを作る
USCPAは4科目(FAR、AUD、REG、BEC)からなり、一般的に合格までは1年〜2年程度を要します。効率的な学習計画が成功の鍵です。
全体スケジュール
まずは受験資格の確認と州の選定から始めましょう。資格要件が緩和されているグアム、モンタナ、ワシントン州などが日本人に人気です。
次に、4科目の学習順序を決めます。多くの方はボリュームが大きく基礎となるFARから始めることをおすすめします。
科目ごとの学習期間目安
- FAR(財務会計):3〜4ヶ月
- AUD(監査):2〜3ヶ月
- REG(税法・商法):2〜3ヶ月
- BEC(経営学):1〜2ヶ月
1日の学習時間
仕事をしながら学習する場合は、平日2〜3時間、休日4〜6時間の学習時間確保を目指しましょう。継続的な学習が最も重要なので、無理なく続けられる計画を立てることが大切です。
効率的な学習を心がける
インプットとアウトプットのバランスを意識しましょう。
教材で知識を得たら、必ず問題演習で定着を図ります。特に英語でのインプットに抵抗がある方は、最初は日本語解説のある教材から始め、徐々に英語の問題演習に慣れていくとよいでしょう。
USCPA試験は18ヶ月以内に4科目全てに合格する必要があるため、最初の科目に合格してからのカウントダウンが始まります。この期限を意識した計画立てが重要です。
合格後も継続教育(CPE)が必要になりますので、資格維持のための時間と費用も考慮しておきましょう。
USCPAに似ている資格には何がある?

USCPAと日本の公認会計士との違い
下表に主な違いをまとめました。
項目 | USCPA(米国公認会計士) | JCPA(日本の公認会計士) |
---|---|---|
管轄と資格の性質 | 州ごとに異なる制度、各州の会計士協会が管轄 | 全国統一の国家資格、金融庁と日本公認会計士協会が管轄 |
受験資格 | 多くの州で「150単位ルール」(学士号+追加30単位)が必要 | 学歴要件なし、誰でも受験可能 |
試験内容 | 4科目独立型、コンピュータベース、主に選択式、英語での試験 | 短答式→論文式の段階制、記述式論述問題中心、日本語での試験 |
難易度と合格率 | 科目ごと45~55%程度の合格率、18ヶ月以内に全科目合格が必要 | 合格率10~20%程度、総合的な難易度はUSCPAより高い |
業務範囲 | 米国内での監査・税務・コンサルティング(州により異なる) | 日本国内での法定監査の独占業務権、税務・コンサルティング |
適用される会計基準 | 主にUS-GAAP(米国会計基準)、米国税法 | 日本基準(J-GAAP)、IFRS(任意適用)、日本の税法 |
国際的な認知度 | 世界的に高い認知度、国際企業での評価が高い | 日本国内での評価は高い |
実務経験要件 | 州により1~2年の実務経験(タイミングは州によって異なる) | 試験合格後、2年以上の実務経験と修了考査が必要 |
継続教育 | 州によって異なるが、多くの州で年間40時間程度のCPEが必要 | 3年間で120単位以上のCPE履修が必要 |
資格維持費用 | 年間$50~$300程度+CPE費用 | 年会費約8万円+CPE費用 |
USCPAと税理士資格との違い
項目 | USCPA(米国公認会計士) | 税理士(日本) |
---|---|---|
資格の種類 | 米国の会計士資格 | 日本の国家資格(税務専門職) |
管轄機関 | 各州会計委員会(State Board of Accountancy) | 国税庁/税理士会連合会 |
主な業務内容 | 財務諸表監査、内部統制、国際会計、企業分析など | 税務申告、税務相談、税務代理 |
日本での独占業務 | なし(税務代理などは不可) | 税務代理、税務書類作成などは税理士のみが可能 |
英語力 | 高度な英語力が必要(試験は英語) | 必須ではない |
試験実施地域 | 主に米国(一部アジアのテストセンターも対応) | 日本全国の試験会場 |
難易度 | 高い(全科目合格率は50%) | 高い(合格まで平均5年以上) |
費用 | 約80〜120万円(予備校・受験・登録費など) | 約100〜300万円(受験・予備校などを含む) |
実務要件 | 州により異なるが、多くは1年程度の会計経験が必要 | 税務実務経験2年以上(もしくは会計科目合格などの条件) |
活用フィールド | 外資系企業、国際会計、米国系監査法人など | 日本国内の会計事務所、企業の経理・税務部門など |
USCPAとMBA(経営学/経営管理学修士)の違い
項目 | USCPA | MBA |
---|---|---|
資格の種類 | 米国の会計資格 | 大学院の学位(Master of Business Administration) |
管轄・取得先 | 各州会計委員会(State Board of Accountancy) | 大学・ビジネススクール |
主な学習内容 | 会計、監査、財務、税務、ビジネス法など | 経営戦略、マーケティング、ファイナンス、組織論など |
試験の有無 | 試験あり(英語・4科目) | 一部入試あり(MBA課程修了に試験は不要なことが多い) |
実務要件 | 州により実務経験が必要(多くは1年以上) | 不要(ただし入学条件に実務経験を求めることが多い) |
英語力 | 高度な英語力が必要(試験は英語) | 海外MBAでは高い英語力が必須(TOEFL・GMATなど) |
難易度 | 高い(合格率は50%未満) | 難易度は学校・プログラムにより大きく異なる |
費用 | 約80〜120万円(受験料・予備校費用など) | 約200〜1,000万円(国内外で大きく差がある) |
取得までの期間 | 1〜2年程度(学習〜試験合格まで) | 1〜2年程度(フルタイムの場合) |
活用フィールド | 会計、監査、経理、財務、外資系企業など | 経営、起業、戦略コンサル、経営企画、海外就職など |
まとめ
USCPAは「やめとけ」ではない。目的が明確なら生涯の武器になる!
USCPA(米国公認会計士)は、独占業務がなく、日本国内では評価が分かれる資格ですが、目的を明確にすれば非常に強力なキャリアの武器になります。
たしかに、「転職で必ず評価されるわけではない」「費用が高い」「日本の会計実務に直結しにくい」などの懸念点がありますので、なんとく取得しても資格を活かしきれません。
USCPAの資格が活きる場面
- 外資系企業や米国企業への就職・転職
Big4監査法人やグローバル企業では、USCPAはむしろ必須・歓迎資格。 - 日本企業の海外部門やグローバル経理職
米国子会社や海外支社での会計実務に求められる。 - 起業・副業での活用
米国会計基準に基づくアドバイザリーや、会計・税務サポート業務なども可能。
USCPAの勉強を始めえる前にやるべきこと
- 資格取得後のキャリアビジョンを明確化する
- 予備校・独学のどちらで学ぶかを決め、勉強計画を立てる
- 受験州の選定や試験科目の順番などを効率的に組み立てる
USCPAは「やめとけ」と言われがちですが、「グローバルに活躍したい」「会計知識を武器にキャリアを広げたい」人にとっては有効です。
時間もお金もかかる挑戦ですが、それを上回るリターン(キャリア・収入・自由な働き方)を得るチャンスがあります。
「何のためにUSCPAを取るのか?」を考えた上で、前向きにチャレンジしてみてください。