株式会社日経HRは 2023 年6月下旬から7月上旬にかけて、「日経転職版 資格と学び直しに関する意識調査」を実施し、948 人から回答を得ました。
リスキリング(学び直し)への関心が高まるなか、実際の仕事や人材評価で強みになる資格やこれから取得したいと考えている資格、リスキリングの取り組み実態についてまとめられています。
役立つ資格1位PMP、取りたい資格は中小企業診断士とAI検定
●詳細は「日経転職版」(https://career.nikkei.com/knowhow/market/002675/)でも公開中!
■問い合わせ先:株式会社日経HR コンテンツ事業本部 TEL:03-6812-7303(担当:高石、町田)
日経転職版会員に、保有している資格について自己評価(仕事で役に立った)と他者評価(会社で評価された/転職市場で評価された)で点数付けしてもらい、合計点でランキングしました。
自己評価の平均値は1.32点、他者評価の平均値は1.29点、総合点の平均値は2.61点でした。
役立つ資格の1位は、IT業界などでプロジェクトマネジャー(PM)のスキルを示す、「PMP(プロジェクトマネジメント・プロフェッショナル)」(6.95点)でした。
ITエンジニアを管理してプロジェクトを遂行するPMは、IT業界で需要の高い職種です。
2位は、経営について事業開発や財務会計、組織管理など幅広く学ぶ「MBA(経営学修士)」(6.84点)です。
ビジネスを体系的に学べることからビジネスパーソンに人気の分野で、特に自己評価は上位20位中もっとも高く3.61点でした。
3位は、英語資格から「TOEIC L&R800点台」が6.56点でランクインしました。
TOEIC800点台は「英語が使える」と認められるレベルで、外資系企業や海外部門への応募条件の目安となっています。
これから取りたい資格は、広く一般的に認知されている「スタンダード資格」と、2020年前後に生まれた新資格やデジタル系資格を集めた「トレンド資格」について聞きました(それぞれ複数回答)。
取りたい資格《スタンダード資格》の1位は、経営コンサルティングの能力を示す国家資格、中小企業診断士。
2位は英語資格の「TOEIC L&R900点台」、3位は「簿記検定2級(日商)」でした。
転職時のアピールや将来の独立を考えて、取得を目指す人が多くみられました。
取りたい資格《トレンド資格》の1位はAIの基礎知識や業務利用の能力を認定する「AI検定」、2位は統計知識や活用力を評価する「統計検定」、3位はデータサイエンティストとして求められるスキル・知識を問う「データサイエンティスト検定(DS検定)リテラシーレベル」でした。
時代の変化に対応すべく、AIやデータ分析の専門知識や技能を磨きたい人が多くみられました。
「リスキリング」という言葉を知っているかを聞いたところ、「意味を十分理解している」が36.6%、「だいたい理解している」が42.5%となり、約8割が知っているという結果になりました。
「聞いたことがある」まで含めると9割超になり、広く認知されていることが分かります。
自分にとってリスキリングは必要かを聞いたところ、「とても必要だと思う」(51.2%)と「まあ必要だと思う」(39.5%)を合わせると約9割を占め、大半の人がその必要性を感じているようです。
リスキングの取り組み状況を聞いたところ、「取り組んでいる(自主的に)」が53.3%、「取り組んでいる(会社などの要請で)」が6.0%になり、半数以上が何らかの分野のリスキリングに取り組んでいる結果になりました。
一方で「取り組んでいない」が39.1%となり、(上記質問で)多くの人がその必要性は感じているものの、実際には取り組めていない姿も見えてきました。
リスキリングに「取り組んでいる(自主的に/会社などの要請で)」と回答した人にその分野を聞いたところ、「英語」(34.0%)が最多でした。
「IT・ウェブ」(22.4%)、「会計・財務諸表」(21.0%)、「ファイナンス(投資・資金)」(19.8%)が続き、ITや金融・会計分野への関心も高いようです。
リスキリングの方法では「専門書を購入して学習している」が53.4%と最も多くなり、「無料のYouTubeやブログなどのWEBコンテンツで学んでいる」(37.2%)が続きました。
有料のオンラインやアプリ講座を受講している人は27.0%、有料のスクールや大学・大学院に通っている人は5%前後いました。
リスキリングに「取り組んでいない」と回答した人に理由を尋ねたところ、「時間がない」(45.8%)、「何を学べばいいのか分からない」(34.8%)、「お金がない」(29.4%)の順になりました。
「以前やっていたが現在は取り組んでいない」(7.8%)との回答もありました。